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区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
施工技術山岳
図書名/雑誌名
硬岩NATMにおける二次覆工の設計施工に関する調査研究報告書
著者名・発表者
NATM二次覆工特別小委員会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
1982年(昭和57年)3月
総頁数
158頁
体 裁
A4サイズ
内容

本報告書は,日本国有鉄道大阪工事局から社団法人日本トンネル技術協会が研究委託を受けて実施した「硬岩NATMにおける二次覆工の設計施工に関する調査研究」の結果をまとめたものである。わが国におけるNATMは膨張性の地山をど特殊を地山に対する試行から始まったが.その設計・施工が合理的なこと,および将来性の高い工法であることが認められ,最近では硬岩に対しても適用されるようにをってさており,軟岩.土砂から硬岩に至るまでの広い適用範囲を持つ一般的を山岳トンネル工法として普及発展しようとしている。すでに現在までにNATMが適用されたトンネルの数は100例に近くに達し,すぐれた工法であることが確められると同時にいくつかの問題点も生じている。これ等の問題点の1つに二次覆工の問題がある。NATMは, トンネルの安定を主として地山自体の強度を積極的に利用して得る工法であるから,覆工の役割は従来の工法における場合とは異在ったものと在る場合が生じるとともに挙動も異在る.特に,硬岩においては,従来の場合とは違った挙動が見られる。すなわち、ロックボルトと吹付けコンクリートを支保工として用いたトンネルに二次覆工として現場打ちコンクリートによる覆工を設けると,覆工に荷重とは関係がないとみられる多数のひびわれが発生することが少なからず経験される。覆工に無秩序にひびわれが入ることは,機能上の実質的を影響のことは別にしても,望ましいことでは覆い。本報告書は,二次覆工の問題のうち,主として二次覆工に生ずるひびわれの問題をとりあげ,これを防止する方法を明らかにするため.NATMによった場合に二次覆工に生ずるひびわれの実態を調査し,発生原因を追求するとともに,対策案を検討した結果をとりまとめたものである. ここでとりあげた対策案は,対策案として試行するのが適当と判断されるものであって。さらにつめるべき性質のものであり,試行の結果をみて再度評価され浸ければならない。また,二次覆工の問題は,その機能との関連において検討することも重要であるが,この点における検討は末だ知見が限られているため必ずしも十分ではない。 従って,本報告書は,この間題に対する一次報告書的な性格のものである。しかし,本問題に対する総合的を調査研究は他にはない。本報告書が実際問題の解決のための有効な資料となり,その結果がさらに反映されるようにをることを期待したい。

目 次

1. 調査研究の目的2. 調査研究の概要
3. 二次覆工に発生するひびわれの実態調査
3-1 実態調査の概要,3-2 実態調査の結果
4. ひびわれ発生状況と原因
4-1 ひびわれ発生の様態,4-2 実態調査等からの原因の推定,4-3 既往の測定研究からの原因の推定,4-4 理論的を検討,4-5 まとめ
5. ひびわれ防止対策
5-1 試行の実態,5-1-1 一次覆工と二次覆工を絶縁する方法,5-1-2 二次覆工コンクリートの品質改良による方法,5-1-3 コンクリートの打設方法による場合,5-1-4 ひびわれを集中・分散させる方法,5-2 試行すべき対策案
6. 諸外国における状況
7. 二次複工の役割
7-1 力学的を役割,7-2 防水,内装,維持管理上の役割,7-3 二次覆工に要求される条件
8. 結び
参考資料