技術1 レーザー打音による覆工内部損傷検知技術
★レーザー打音による覆工内部損傷検知技術/㈱建設技術研究所,(国研)量子科学技術研究機構,計測検査㈱, ㈱フォトンラボ/道路★
<概要説明>
覆工コンクリート表面を高出力パルスレーザーで打音し、表面の微小変位をレーザー干渉計を利用したドップラー振動計により遠隔で計測することにより、うき・はく離の状態を把握する技術です。人力打音の代替となる赤外線パルスレーザーによる衝撃と微小振動をレーザー計測する技術を一体化し、打音間隔や打音速度を制御する技術とともに検査車両に搭載することで人力打音検査に代替するとともに、従来は検査員の感覚に頼っていた判定、診断プロセスを可視化することが可能となりました。

<開発・導入の背景>
■従来の課題
従来の打音検査は検査員の感覚に頼る点検技術であり、点検員の力量の平準化、熟練点検員の不足といった課題がありました。近い将来、増大する道路トンネルの定期点検、臨時点検の需要に対して熟練点検員の不足が顕在化し、定期点検の安定的な実施に支障となる課題がありました。
■新たに導入した技術の概要
レーザー打音はハンマー打音検査を完全に機械化することにより点検員の力量に依存しない覆工打音検査を実現します。さらに苦汁作業であった打音検査の作業環境を大幅に改善します。また、点検記録は完全に可視化され、電子データで記録することが可能になり、前回点検との比較による客観性の高い比較を可能にします。
また、レーザー打音検査の効果を高めるスクリーニング技術、診断技術も併せて開発しており、これらと組み合わせることにより、効率的で客観性の高い覆工打音検査を実現します。
<導入効果>
・レーザー打音検査の導入により、点検員の力量に依存しない打音検査の客観性を確立できた。
・レーザー打音を定期点検に取り入れることにより、打音検査における前回点検との比較が可能になり、進行性を判断できるようになった。
・点検員の高所作業工数の削減に寄与し、熟練点検員不足に対処できるようになる。
<今後の課題>
・計測範囲のスクリーニング技術との併用による作業効率化を進める必要がある。
・さまざまなうき・はく離の状態に対して、適切な状態把握を行う技術を向上させる必要がある。
<参考文献>
①長谷川登, 岡⽥⼤, 近藤修司, 北村俊幸, 錦野将元, 坂本勝哉, ⽊暮繁:トンネル覆⼯コンクリートのうき検知を遠隔で⾏うレーザー打⾳検査装置の現状と社会実装について,計測と制御, VOL.60, No11, pp.765-769, 2021.
②⼾本悟史, ⻑⾕川登, 岡⽥⼤, 近藤修司, 北村俊幸, 錦野将元, 中村光:ラスター(格⼦状)スキャン機能を有するレーザー打⾳検査装置を⽤いたトンネル覆⼯コンクリートの診断⽀援技術の⾼度化に関する研究, 構造⼯学論⽂集, Vol.68A, pp.671-684, 2022.
③中村光,⼾本悟史,松永輝,杉⼭⾵雅,三浦泰⼈,辻健⽃:静的破砕剤による各種形態と損傷度を有する模擬腐⾷ひび割れの⽣成法の提案,構造⼯学論⽂集,69A,pp.718-733,2023.
④⻑⾕川 登, 錦野 将元, 岡⽥ ⼤, 近藤 修司, 坂本 勝哉, ⽊暮 繁, 安倍 正道, ⼾本 悟史, 中村 光:ジュルスジュール級パルスレーザーによるインフラ先進診断 -レーザー打⾳法-, レーザー研究, Vol. 51, 9号, 2023, accepted.