技術10 浮体による通水中の水路トンネル点検装置の開発

★浮体による通水中の水路トンネル点検装置の開発/東京電力HD(株)/水路★

<概要説明>
水路トンネル内の抜水を不要とした、点検員による目視点検に代わる点検装置を開発した。

<開発・導入の背景>
■従来の課題
水力発電所水路トンネルの内部点検は、発電所の運転を停止し、水路トンネル内を抜水した上で、点検員が水路トンネル内を移動しながら目視等で実施している。(東京電力RPの水力発電所:164か所、水路トンネル総延長:680km)
従来の点検方法では以下の問題点を抱えている。
・水路抜水・発電所停止に伴う発電機会の喪失
・点検作業の担い手不足
・暗所での長距離移動を伴う点検作業における人身災害発生のリスク
これら問題点を解消するため、水路トンネルの通水(運転)中に、無人で点検を行う方法の開発が課題であった。
■新たに導入した技術の概要
照明や広角カメラを搭載した浮体が水路トンネル内を流下しながらトンネル内部(気中・水中とも)を撮影。取得した映像を合成する事により、壁面展開画像を作成する事ができる。

導入効果
映像として記録されるため、点検実施時点における状況を正確に残す事が可能となる。これにより、変状の見落としを防ぎ、前回点検時の映像との比較により、変状の発生や進展を的確に管理する事ができる。
水路トンネルが果たすべき本来の役割である導水機能を損なう事無く点検することができる。これにより、発電用水路トンネルであれば発電機会を喪失せず、灌漑用や上水用水路トンネルにおいても水を送り続ける事が可能となる。
水路トンネル内に入る事無く点検することができるため、点検に要する労力が軽減され、現場での作業時間も短縮される。また、地震等自然災害後の臨時点検では、損傷を受けた可能性のあるトンネル内に入る事無く点検する事ができるので、人身災害の発生リスクを軽減させる。
<今後の課題>
濁度の高い水中部では画像撮影が困難な場合があるため、濁水中の可視化技術の開発が必要である。
<参考文献>
平成30(2018)年
・土木学会全国大会「浮体による通水中の水路壁面点検用の撮影装置の開発」
・電気新聞 2018/10/18「トンネル点検効率化向け共同開発」
令和2(2020)年
・土木学会全国大会「浮体による通水中の水路壁面点検装置の開発(その3)」
・日刊建設工業新聞 2020/10/21「⽔抜き不要の⽔路点検システムを開発」
令和3(2021)年
・土木学会全国大会「浮体による通水中の水路壁面点検装置の開発(その4)」
令和4(2022)年
・土木学会全国大会・電力土木11月号
「特徴点のない水路トンネルにおける三次元点群計測技術の開発」