技術5 新幹線用トンネル覆工表面撮影車

★新幹線用トンネル覆工表面撮影車/東日本旅客鉄道(株)/鉄道★

<概要説明>
トンネル検査において、覆工表面のひび割れ変状を正確に記録することは、既存変状の進行性や新規変状を把握するために重要です。
本頁では、トンネル覆工表面の変状を短時間で正確に把握することを目的にJR東日本で活用されているトンネル覆工表面撮影車に関する技術を紹介します。
 
<開発・導入の背景>
■従来の課題
JR東日本では、軌道上を走行しながら覆工表面を連続的に撮影可能な覆工表面撮影車を保有しており、これにより撮影された画像を元に変状展開図の作成を行っている。
従来技術の課題は次の3つ。
(1)取得データの解像度
視認可能なひび割れ幅は概ね1~2mm程度であり、ひび割れ抽出精度の向上のため解像度向上が必要
(2)計測速度
8km/h程度で計測しており、計測周期は新幹線で概ね3~4年要する。トンネルの目視検査の周期に合わせて2年周期でデータ取得ができる速度が必要
(3)変状展開図作成の省力化
展開図の作成のために撮影画像を人の目で確認する必要があり、省力化のため自動抽出が望まれる
■新たに導入した技術の概要
2020年に新型覆工表面撮影車を開発した。レーザーとエリアカメラにより、2次元(画像)・3次元(凹凸)のデータを同時に取得可能な光切断方式を採用。
(1)高解像度のデータを取得、幅0.5mm程度のひび割れまで視認可能
(2)計測速度は従来の2倍程度の20km/hに向上
(3) AI画像解析によるひび割れの自動抽出の実装に向けて検討中(2023年○月現在)
<導入効果>
・変状展開図作成の精度向上により、これまで以上に精度の高い検査が期待できる。
・計測速度向上により、計測作業が効率化された。
<今後の課題>
ひび割れの自動抽出の実装に向けて取り組んでおり、トンネル展開図作成の省力化の検討を進めている。
<参考文献>
・久保木利明、八嶋宏幸:新型トンネル覆工表面撮影車の開発と導入、検査技術、2022年4月
https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200116_ho03.pdf