技術9 トンネルの診断支援システム
★トンネルの診断支援システム構築に向けた取組み/土木研究所/道路★
<概要説明>
道路トンネルの老朽化や維持管理業務に従事する技術者の担い手不足といった社会課題を背景に、国立研究開発法人土木研究所では、診断支援システムの構築を核としたトンネルの維持管理の高度化に関する研究に取り組んでいる。参考文献に示す報文にて、①設計・施工時データの維持管理段階への引継ぎ、②トンネルの変状メカニズムの推定等の診断支援、③点検支援技術の精度検証 について、土研におけるこれまでの取組みや今後の展望を報告した。

<開発・導入の背景>
■研究の背景
①トンネルの設計・施工段階で得られる地山性状等に関するデータが、維持管理段階へと確実に引き継がれていない場合がある。
②トンネルの点検・診断において、外力による変状の兆候を見落とすと、通行止めを伴う大規模な対策が必要な状態へと至るおそれがある。
③点検では、精度向上とともに、担い手不足への対応として作業効率の向上が求められている。
■取組みの概要・成果
①施工段階で得られる切羽評価点や計測変位と、維持管理段階における変状の相関を分析し、有意な相関性があることを示した。
②覆工のひび割れ情報から変状の発生原因を推定するチャートをレビューし、ブラッシュアップの方向性を示した。
③トンネル現場で赤外線カメラを搭載した車両を走行させ、覆工のうき・はく離の検出精度の検証試験を行った。目地部での三日月状のうきが検出された。
<今後の課題>
①分析事例を増やし、今後、BIM/CIM等に記録すべき設計・施工時データを提案する。
②トンネルの診断に携わってきた経験豊富な技術者の経験知を整理し、例えばそれらを組み込んだAIを開発する。
③開発が進められている多種多様な点検支援技術について、関係機関と連携して適用性を検討の上、活用を進めていく。
<参考文献>
小泉悠、菊地浩貴、日下敦:トンネルの診断支援システム構築に向けた取組み、土木技術資料、Vol.64、No.4、pp.28-31、2022年4月
https://pwrc.or.jp/shouroku/shouroku_2022.html#h220406