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まえがきより我が国の都市トンネル工事においては,近年施工条件が益々悪化することに伴い,密閉式シールド工法が採用されることが多くなってきている。このようなニーズに応え,泥水式シールド工法は目覚ましい発展をとげ,現在では安全確実な都市トンネル工法として確固たる地位を築くに至った。しかしながら,泥水式シールド工法についても全てが解明されたとは言い難く,細部については高度な技術的判断を要求される場合が多い。幸いにして本工法で施工されたトンネルにおいて,工法そのものに起因した重大な事散はこれまで発生していないが,このことは設計施工を通じ技術者の地道な研究,とりわけ優秀な施工管理が行われてきた所産と考えられる。とりまとめにあたり,土木学会において改訂されたトンネル標準示方書くシールド編)を参考として,本工法の現状を把提し,現場技術者が施工上留意すべき点に重点を置き,さらに使い易さを考慮してシールド工法特有の一般的事項も追加したものである。
第1章総論1-1 概説1-2 泥水式シールドの概要1-2-1 シールドの分類,1-2-2 泥水式シールドの特徴と方式,1-2-3 泥水式シールドの適合土質,1-2-4 安全施工上の問題点
第2章調査
2-1 調査の目的2-2 調査方法2-3 調査の内容
第3章施工計画3-1 地山条件-の適合3-2 切羽の安定機構3-3 泥水式シールドの構造3-4 送排泥設備3-5 運転制御設備3-6 泥水処理設備3-7 磯処理設備等3-8 災害防止計画
第4章施工
4-1 シールドの組立・解体4-2 発進と到達4-3 本掘進4-4 一次覆工4-5 裏込注入工4-6 防水工4-7 二次覆工4-8 補助工法4-9 作業環境対策
第5章特有災害・環境対策
5-1 特有災害対策5-2 環境対策5-3 緊急時対策
第6章災害発生状況および災害事例
6-1 災害発生状況6-2 災害事例