5805

区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
環境保全
図書名/雑誌名
トンネル施工に伴う湧水渇水に関する調査研究(その2)報告書
著者名・発表者
安全環境委員会環境保全小委員会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
1983年(昭和58年)2月
総頁数
190頁
体 裁
A4サイズ
内容

まえがきより本報告書は, 日本道路公団より委託を受けて実施した山岳トンネルにおける湧水渇水に関する調査研究をとりまとめたものである。本調査研究は, トンネル建設工事における環境保全上の多くの問題点の中から,湧水渇水に係る問題に着目し, 2年にわたって実施してきたものである。まず初年度は,公団における多くのトンネル工事現場が,湧水渇水に絡んでどのようを問題に直面しているか,また直面したか,それらの発生過程および対応策,事前予測の有無等をつかむべくアンケート調査を実施した。これとともに,モデル地区として中国横断自動車道竹坂トンネルを選び,現地検討会を開催して現場との意見調整を図った。さらに本年度は,アンケートおよび現地検討会の結果を基に,当分野における学識経験者,専門技術者に広く参画して頂き,小委員会及び幹事会で幾多の論議をかさねた。その結果, このように湧水渇水に係る予測から対応(補償)までの「現場での指針」とするべく一元的集大成ができたものである。云うまでもなく湧水渇水現象は,その発端がトンネル工事により起こされたものであるけれども,その影響は多分に自然現象に支配されるためにこれを事前に予測することは,至難のわざである。一方では,調査法等の技術面も日進月歩であり,今日の科学技術力からすれば,今後より確実性の高い予測手法,調査法等の開発も期待出来るものと考えてよかろう.本調査研究は,この報告書の提出をもって終了するが,水問題は住民の日常生活に密着する問題でもあり,何よりもましで慎重に対処していかなければならい課題である。今回をひとつの出発点として。更に新しい知識を吸収し,水問題に対する認識を深めていくことが望まれる。

目 次

1.調査の目的
2.山岳トンネル湧水・渇水調査法
2.1 概要,2.2 トンネル湧水・渇水調査の構成,2.2.1 調査の構成、〔参考〕地下水と地形・地質の関係,(地形区分及び地下水形態区分,地形と地下水の関係,地下水形態区分と地下水との関係),2.2.2水文地質調査(水文地質調査一般,帯水層の構造調査,帯水層の能力調査,土壌の浸透度調査,水文地質調査の調査手法)、2.2.3 水収支調査(水収支調査一般,降水量調査,河川流量調査,水位測定,蒸発散量調査)、2.2.4 水文環境調査(水文環境調査一般,水源調査,水利用調査,2.3 湧水・渇水調査の進め方),2.3.1 概要,2.3.2 路線選定段階の調査,(地質調査の基本的考え方,調査の進め方,調査範囲の考え方,2.3.3 設計・施工計画段階の調査(基本的考え方,調査の進め方,2.3.4 施工段階の調査(基本的考え方,湧水問題と渇水問題,湧水にともなう直接的問題に対する調査,渇水問題に対する調査,しゅん工後の調査),2.4 湧水・渇水の予測手法,2.4.1 概要,2.4.2 統計的予測手法(トンネル湧水量, 渇水の範囲)2.4.3 従来の予測手法(トンネル湧水量と集水範囲,利水への影響予測手法),2.4.4 水収支シミュレーションによる予測手法
3.山岳トンネル湧水・渇水対策3.1 山岳トンネル湧水・渇水対策,3.1.1 概要,3.1.2 湧水の水源別にみた対策工,3.1.3 渇水対策としての坑内施工,3.2 地元補償,3.2.1 概要,3.2.2 地元補償を行うにあたっての基準要綱,3.2.3 地元補償の種類,3.2.4 地元補償の進め方