200903

区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
施工技術都市
図書名/雑誌名
現場技術者のための「シールド工事の施工に関するQ&A」
著者名・発表者
技術委員会都市トンネル小委員会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
2009年(平成21年)7月
総頁数
146頁
体 裁
A4版
内容

今日,シールド工法は日本だけの特殊工法ではなく,世界の各国で都市トンネルの代表工法として多く活用されている.これまでシールド工事に従事する技術者は、軟弱地盤や礫層などの様々な土質性状や都市構造物との近接施工などへの対応、あるいは海底横断トンネルや大深度トンネルの構築など、その都度試行錯誤と創意工夫を図り,多くの難工事を克服し,社会的なニーズに安全かつ確実に応えてきました.その一方で,経済情勢の変化に伴う工事量の減少やシールド専門技術者の大量退職を背景に,これまで蓄積された貴重な技術が埋没されることが懸念され,今後シールド工事に携わる技術者にどのように「技術の継承」を図っていくかが,喫緊の課題となっています.このような状況を鑑み,都市トンネル小委員会ではシールド工事における貴重な技術の継承を図るため,平成17年度から会員のニーズを反映し,現場に携わっている技術者の貴重な教訓やノウハウをQ&A方式で整理し,その成果を会誌「トンネルと地下」に連載したところであります.本書は,会誌に平成19年7月号から平成20年8月号まで14回にわたって連載した「シールド工事の施工に関するQ&A」に若干の加筆、整理をして書籍化したものです.なお,本書編集にあたっては,順不同に掲載した記事を工種ごとに並び替えを行い,筆者の意向を基本としながら過不足や誤解を招きやすい事柄について適切な表現に修正するなどしました.本書を通じて,シールド工法の施工ノウハウを「技術の継承」の一環として残すことができればと考えております.同時に本書が今後のシールド技術の発展進歩に少しでも寄与できれば幸いです.

目 次

1.掘進設備Q1:発進基地の工法別,径別の最小および標準面積を教えてください.Q2:発進準備工の計画および施工上の留意点を教えてください.Q3:シールド仮設備の配置計画上のポイントを教えてください.Q4:土砂搬出の方法と得失を教えてください。2.測量Q5:シールドの長距離化に伴う坑外測量の新しい方法と留意点について教えてください.Q6:中間立坑や測量観測孔がない場合に到達精度を向上させる坑内測量の方法を教えてください.Q7:掘進管理測量における自動測量の現状,精度,信頼度を教えてください.3.発進・到達工Q8:発進・到達時における地盤改良工法の種類と得失を教えてください.Q9:発進・到達における仮壁撤去工法と仮壁切削工法の種類と得失について教えてください.Q10:NOMSTによる発進・到達時の振動の発生原因と対策について教えてください.Q11:シールドUターンや立坑通過などシールドを引出す場合の坑口設備や補助工法について教えてください.Q12:到達坑口からの漏水対策について教えて下さい.Q13:同時裏込め注入を使用する場合の突起による推力の上昇や発進・到達時の問題と対処方法について教えてください. Q14:NOMSTによる発進方法において地盤改良は必要か教えてください. 4.掘進管理Q15:土質条件に応じたシールドの姿勢制御のポイントを教えてください. Q16:掘進指示書作成のポイントを教えてください.Q17:工法別の掘削土量管理の方法,ポイント,適切な管理値の設定方法について教えてください.Q18:泥水式シールドにおける流体制御について教えてください.Q19:密閉式シールドでの切羽圧の設定方法の考え方と留意点について教えてください.5.一次覆工管理Q20:セグメントのクラック・欠けの防止及び補修の方法について教えてください.Q21:セグメントの防水工の種類とその特性について教えてください. 6.裏込注入管理Q22:裏込め材料の種類と得失について教えて下さい.Q23:同時裏込め注入装置の長所・短所および選定の際の留意点について教えてください.Q24:土質に対する裏込め注入管理上の注意点について教えてください 7.泥水式シールドの泥水管理Q25:泥水式と土圧式を比較して、どのような場合においてどちらが有利となるか訓えてください.Q26:泥水式シールド工法で、土質別に泥水比重と粘性の適正値を教えてください.また、比重および粘性が高すぎたり低すぎた場合にどのような不具合が発生するか教えてください. Q27:泥水式シールド工法の逸泥や噴発に対する対処方法を教えてください. 8.土圧式シールドの添加剤管理Q28:泥土圧シールド工法の添加材の目的と選定のポイントを教えてください.Q29:泥土圧シールド工法においてポンプ圧送が可能な地山条件と適した添加材を教えてください.9.環境対策Q30:泥土圧シールド工法でその発生土が土砂か建設汚泥かについて,判断基準が地域によって異なっているようですが実態を教えてください.Q31:シールド掘進時の低周波音対策と効果について教えてください.Q32:シールド掘進に伴う地盤変状のメカニズムとその防止対策方法を教えてください.10.急曲線対策Q33:急曲線補助工法の必要性と有効な方法について教えてください.Q34:急曲線での施工管理方法について Q35:急曲線施工において中折れ装置を装備する基準およびその使用・管理方法について教えてください.Q36:急曲線施工時の必要余掘り量の考え方と,その使用時期について教えてください.11.近接施工Q37:シールドトンネルを既設構造物に近接して施工する場合,対策の要否をどのようにして判定するのか教えてください.Q38:シールドトンネルの近接施工による既設構造物の挙動の予測解析について教えてください. Q39:シールドトンネルに近接する既設構造物への影響を防止する対策方法について教えてください.Q40:シールド近接施工における現場計測管理について教えてください.12.大深度・長距離施工Q41:大土かぶりシールドにおける計画の留意点を教えて下さい. Q42:カッタビットの摩耗量の予測方法と摩耗を低減する方法を教えてください.また,カッタビットを機械的に交換する方法と留意点を教えてください.Q43:シールドトンネルを地中で正面同士あるいは側面に接合を行う場合の方法と施工上の留意点を教えてください.13.障害物対策Q44:埋設物や障害物探査に対する探査方法と適応範囲について教えてください. Q45:礫地盤で想定されるトラブルの要因と留意点について教えてください. Q46:シールド計画断面に支障する杭の調査と事前撤去方法について教えてください.Q47:障害物をシールドで切削撤去する工法について教えてください.