201903

区分
施工体験発表テキスト
図書分類
施工体験発表会
図書名/雑誌名
第85回施工体験発表会(都市) CD-ROM
主題/副題
都市における各種制約下でのトンネル、地下構造物工事-新接、改良・再構築の施工事例-
所属
一般社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
2019年(令和元年)6月
頒布価格 (団体・税込)
5000円
頒布価格 (個人・税込)
5000円
頒布価格 (一般・税込)
5000円
体 裁
CD-RプリントサイズA4
内容

目次:掲載頁/演題/発表者/所属

目 次

重要構造物直上の狭隘な空間における、開削道路トンネルの築造 -環状 2 号線トンネル工事-
発表者:清水建設(株) 土木東京支店土木第 2 部工事主任 出井 寛志
(概要)環2トンネルの施工区間のうち汐留から築地に至る範囲は,交通量の多い汐崎橋交差点や,首都高八重洲線・首都高都心環状線そして数多くの埋設物や大小の雨水渠などの既設構造物がある中での,開削工法による道路トンネル築造工事である.本稿では,その中でも首都高都心環状線(汐留トンネル)直上における路面覆工架設,低土かぶりすなわち覆工桁下空間が狭隘な中での躯体コンクリート構築における,計画~施工時の工夫について報告する.
(キーワード)供用中トンネル直上,路面覆工,低土かぶり,高流動コンクリート,実物大実験(モックアップ)

DO-Jet 工法による既設構造物防護および支障物撤去 -第二田柄川幹線工事-
発表者:鉄建建設(株) 土木本部地下・基礎技術部 真弓 隆太郎
(概要)第二田柄川幹線工事は,特殊泥土圧シールド工法にて雨水貯留管を設置する工事である.当初より施工ルート上に支障物が想定されたことに加え,既設田柄川幹線躯体直下を掘進するため,地上からの作業を必要としない DO-Jet 工法が採用された.本稿では DO-Jet 工法によるシールド前方の支障物探査,地盤改良による既設構造物防護および支障物切断・撤去についての施工計画および施工実績を報告する.
(キーワード)非開削工法,特殊泥土圧シールド工法,DO-Jet 工法

軟弱地盤下に潜函工法で築造された地下鉄トンネルの拡幅における下床版築造工事
-東京メトロ 東西線南砂町駅改良土木工事-
発表者:東京地下鉄(株) 改良建設部第三工事事務所副主任 吉田 裕介
(概要)本工事は,東京メトロ東西線における通勤ラッシュ時のホーム上の混雑および列車遅延を解消するため,島式ホーム1面と線路2線である地下構造の駅をホーム2面と線路3線へと改良し,また昇降設備および改札の位置をより円滑な旅客流動を目指して再配置するものである.南砂町駅は建設当時運河であった場所に潜函工法で造られたため,現在も躯体周辺の地盤はN値0~1と超軟弱であり,駅改良に必要なすべての工種に対して周辺地盤および既設躯体の変位抑制対策を検討する必要がある.本工事では,開削工法にて深さ14mまで掘削し,新設構造物の側壁は本体利用するRC地下連続壁で,上床版および下床版は既設函体を包囲するような形となる.土留めは本体利用を目的とした地下連続壁,補助工法は掘削底面以深に先行地中梁と底盤改良を目的とした地盤改良を採用した.本稿では,3工区に分けた工事のうち西船橋方の終端部工区を題材に,既設構築直下の新設下床版の築造について報告する.
(キーワード)地下鉄,駅改良,軟弱地盤,開削工法,下床版,無収縮高流動コンクリート,既設躯体,変位抑制対策

可燃性ガスを伴う泥水式シールドの重要構造物近接施工 -内径 1200 ミリ排水管シールドトンネル-
発表者:(株)安藤・間 名古屋支店羽津シールド作業所工事主任 水谷 正樹
(概要)本工事は,三重県企業庁 北伊勢工業用水道事業の一環として,工業用水の安定供給のため配水管路を複線化・強化する目的として発注されたシールド工事である.延長約 2km にわたってシールド工法(一次覆工)で鞘管φ2,000mm を施工し,その中に工業用水管(仕上がり管内径φ1,200mm)を配管(二次覆工)するものである.シールド路線には,R=30mの急曲線2箇所を含む計 11 箇所の曲線区間を有する.土被りは約 19m~3.5mであり,縦断勾配はレベルで発進し,到達手前で上り5%勾配となっている.本稿では,重要構造物の近接・横断施工および可燃性ガスを伴う小口径泥水シールド施工について報告するものである.
(キーワード)小口径泥水式シールド,重要構造物,近接施工,可燃性ガス,急曲線

開削トンネル工事における生産性および品質向上に係る創意工夫事例 -東京港臨港道路南北線-
発表者:(株)大林組 東京本店南北線陸上 TNJV 工事事務所土木係 江口 史門
(概要)東京港臨港道路南北線 10 号地その2地区陸上トンネル築造工事は,開削工法によって U 型擁壁およびスリット構造の接続区間,ボックスカルバート構造の道路トンネルを構築するものである.掘削床付けまでが当初発注され,本体工以降については現場状況を反映した追加工事として,本体設計の進捗に合わせて発注される形態となった.このような背景の中で,施工中に発注者と度重なる協議を経て,生産性および品質向上のため様々な工夫を行った.本稿では,当工事の本体工における当初の技術的課題,そして発注者とともに実施した創意工夫事例について報告する.
(キーワード)開削トンネル工法,U 型擁壁,スリット構造,ボックスカルバート,生産性向上,品質向上

供用中の水道導水管直下における互層地盤掘削事例
-犬山導水路A管 小牧市久保本町から大字上末西前地内間 2000 耗整備工事-
発表者:(株)奥村組 東日本支社木更津シールド工事所副所長 久保田 雅之
(概要)本工事は,名古屋市が管理する浄水場へ導水する犬山系導水路の更新工事の一環で,土かぶり約 14mの深さにセグメント外径 2,950mm のシールドトンネルを約 2.3km 施工し,二次覆工としてダクタイル管を配管するものである.昭和初期に敷設された供用管が掘削断面直上に存在する条件の下,変化に富んだ矢田川累層の砂礫層とシルト層の互層を掘削する中で,スクリューコンベヤーからの地下水の噴発や,研磨性の高い鉱物成分によるマシントラブルが発生した.本稿では,それら施工上の課題点とその対応について報告する.
(キーワード)シールド,矢田川累層,洪積砂礫層,巨礫,互層地盤,噴発,鉱物成分

住宅地での小土被り・併設施工における大断面シールドの地上発進・地上到達事例
-八王子南バイパス館第一トンネル-
発表者:(株)大林組 東京本店八王子館シールド JV 工事事務所工事長 西岡 恭輔
(概要)本工事は,関東地方整備局が進める八王子南バイパス事業のうち,住宅地に掘削外径 11,180mm の泥土圧シールドで道路トンネルを築造するものである.当工事の特徴として「小土かぶり」「併設施工」「地上発進・地上到達」が挙げられる.「小土かぶり」については,455mの施工延長上に土かぶりの急激な変化や土かぶりが非常に小さい箇所を含む複数の市道が交差しており,地上への影響を抑制して施工する必要があった.「併設施工」については,2本のトンネルの離隔が 0.9mと小さく後行トンネルの施工による先行トンネルへの影響を抑制する必要があった.本稿ではこれらについて技術的課題および対応策,施工結果を述べる.また「地上発進・地上到達」については,用地などの施工条件を考慮してシールドを地上発進・地上到達させる URUP 工法を採用したので,施工実績を述べる.
(キーワード)小土かぶり,トライアル計測,併設施工,内部支保工,URUP 工法,地上発進,地上到達,シールド機回転

気泡材による機械負荷低減の評価および発進基地 P.P 換気システムの効果について
-横須賀市 10 工区上町・下町バイパス管築造工事-
発表者:戸田建設(株) 首都圏土木支店監理技術者 弘瀬 雄太
(概要)本工事は,下水道浄化センター間の約 2.2km をφ2,890mm 土圧式シールド工法(気泡シールド)にて施工するものである.今回は,新しく開発した気泡材を使用し機械負荷低減の総合的評価を試みたのでその効果について報告するとともに,セグメントシール貼り作業(有機溶剤作業)に大口径 2,400mm プッシュファンを採用した PP(プッシュプル)換気システムの設備と効果についても報告する.
(キーワード)土圧式シールド工法,気泡工法,機械負荷低減,PP(プッシュプル)換気システム

小土かぶりの非開削工法施工時における周辺地盤挙動抑制対策 -市道桶狭間勅使線 愛知用水横断函渠-
発表者:大豊建設(株) 名古屋支店作業所長 西川 圭
(概要)桶狭間勅使線は,桶狭間地区のほぼ中央を東西に貫く名古屋都市計画道路である(図-1).道路状況は,隣接した豊明市方面との往来が激しく,交通量も非常に多い.また,地区には愛知用水(写真-1)が流れており,通り抜けできる道路が限られているため,国道 302 号の開通にともない,生活道路への車両流入が増加している.このため,未開通区間であった本路線の早期開通に期待が寄せられている.本工事は,この愛知用水下に非開削工法「SFT工法」でアンダーパス(図-2)を築造する工事である.発注者からは愛知用水に機能障害を生じさせないように厳しい精度管理,および計測管理を要求されていた.本稿は愛知用水の管理値 3mm(相対変位)という厳しい条件のなかで施工した「SFT 工法」の概要を説明するとともに,施工中の課題であった愛知用水の健全性を確保するために実施した対策,および管理方法について報告するものである.
(キーワード)SFT 工法,非開削工法,箱形ルーフ推進,函体推進,沈下防止対策

幹線道路直下において重要施設を近接通過しながら掘進するシールド工事の対策(京都伏見地区)
-伏見第 3 導水きょ公共下水道工事(京都市上下水道局)-
発表者:鴻池・あおみ・今井・城産特定建設工事企業体監理技術者 高橋 史峰
(概要)伏見第3導水きょ公共下水道工事は,伏見水環境保全センター敷地隣接地の一部を発進立坑として泥土圧シールド工法(外径φ3,680 ㎜)にて延長約 2200mを掘進し,三栖公園内駐車場の到達立坑までの雨水幹線管渠を土かぶり約 20mで築造するものである.この工事は,複数の急曲線施工を含みながら,国道1号線や京都外環状線などの重要幹線道路下や伏見地区の酒造工場近傍を通過した後,阪神高速高架橋脚基礎に近接しながら到達するものである.このような施工条件下において,周辺施設や地表面への影響を及ぼさない事前対策やシールド掘進管理について報告する.
(キーワード)急曲線施工,酒造工場,阪神高速高架橋脚基礎,ステンレスセグメント

土砂岩盤複合地盤における小口径長距離シールドの施工実績 -高知市送水幹線二重化(3 工区)-
発表者:西松建設(株) 西日本支社高知送水幹線出張所所長 安村 秀樹
(概要)本工事は,泥土圧シールド工法によりトンネルを構築し,その内部に US 形ダクタイル鋳鉄管を挿入し送水幹線を築造するものである.本工事のシールドは,土砂地盤と岩盤が交互に出現する複雑な長距離土砂岩盤複合地盤を掘進する計画であり,シールド路線直上には輻輳する埋設物があるため,シールドビット交換のための地盤改良を行うことは厳しい施工条件である.本稿では,シールドカッタービットの強化対策,綿密なビット交換計画および施工実績について報告する.また,前例の少ない小口径長距離シールド工およびトンネル内配管工における設備計画の工夫と施工実績についても報告する.
(キーワード)ビット交換,小口径長距離シールド,複線区間(離合部),ボギー式管運搬台車

狭隘な発進基地、風化程度の異なる軟岩の泥土圧シールド工事 -唐の原第一雨水幹線築造工事-
発表者:清水建設(株) 九州支店土木部工事長 藤石 忠夫
(概要)本工事は,福岡市浸水対策整備の一環として泥土圧シールド工法で,掘削外径 3,480mm,仕上り内径 2,600mmの雨水管渠を築造する工事であった.施工場所は閑静な住宅街に位置し,発進ヤードは狭くかつ設備配置のし難い形状で,7階建ての集合住宅に隣接していた.また,掘削対象地山は古第三紀;粕屋層群の砂岩,泥岩,礫岩互層で,一軸圧縮強度 1.1~39.0MN/m2であった.本稿では,狭隘な発進基地における様々な創意工夫,風化程度の異なる軟岩の掘進におけるローラーカッター異常摩耗対策,働き方改革のなか実施した完全週休2日について述べる.
(キーワード)狭隘な発進基地,風化程度の異なる軟岩,完全週休2日