令和4年 会長の新年挨拶

令和4年の新しい年を迎えて

                            (一社)日本トンネル技術協会 会長 菊川 滋 

                                                   

                                          

明けましておめでとうございます。旧年中は、当協会の業務運営につきまして多方面よりご支援を賜りまして厚く御礼申し上げます。例年1月に新年互礼会(名刺交換会)を開催しておりますが、新型コロナ感染症の収束について未だ不透明であり、今後の状況も見通しがつかない状況にあることから、令和4年の新年互礼会については昨年に引き続き中止させて頂くことにしました。皆様にお目にかかって親しくご挨拶することが叶いませんので、ホームページにて新年の挨拶をさせて頂きます。

 我が国の国土は、世界でも稀な地形的な特徴を持っています。これが世界にも冠たる日本のトンネル技術を生んできました。国土の中心に当たる部分が脊梁山脈で構成され国土が大きく2分されていて、これにより全国に幾多の峠があり交通の難所となってきました。明治期以降に自動車や鉄道が出現してからも大きな迂回を余儀なくされてきました。この難題を解決したのがトンネルであり、その過程で先達はNATMをはじめ様々なトンネル技術を進化させてきました。一方、都市部において稠密な土地利用がなされている中での交通インフラの整備と環境保全の両立、地下空間利用を実現したのがシールドトンネルです。このように、我が国のトンネル技術は鉄道や道路といったインフラの整備を通じて経済の発展と国民の安全、さらに豊かな暮らしの実現に大きく貢献してきました。

 日本トンネル技術協会は昭和50年の発足以来、トンネル技術に関する情報提供や国際協力活動等を通じて我が国のトンネル技術の発展普及に尽力し社会経済の発展に貢献してまいりました。引き続き、産学官からなる本協会の強みを大いに生かして、時代のニーズに合った調査研究を実施すると共に自己研鑽を積み重ねこれまで培ってきた技術を継承しつつ、さらに幅広く社会の利益の増進に資するよう、活動の充実強化を図っていきたいと考えております。

 近年、トンネル施工における最新IT技術の活用は目を見張るものがあります。各種センサーを用いた自動測定技術やデータ転送、遠隔での施工管理、ロボットやAIの活用等の建設現場のデジタルシフトは加速化しています。また、供用中のトンネルの安全性確保や維持管理の効率化を目的とした情報通信技術の活用についても様々な取り組みがなされています。これらは、品質や安全の確保のみならず生産性向上、ひいては建設生産全般の働き方改革・担い手確保にも寄与するものであり、引き続き推進していく必要があります。

 人類の歴史は感染症との戦いとも言われています。長い戦いになっても、必ず克服できる時がくると確信しています。一方で、私たちは人口減少と高齢化という課題に直面しつつ、気候変動により頻発・激甚化する自然災害と切迫性が高まる巨大地震にも備えていく必要があります。また、トンネルを含む社会インフラの老朽化対策も待ったなしの状況です。ポストコロナの経済再生の柱は地方の再生と国土の強靭化であり、強くしなやかな国土づくりに向けてのトンネル技術の役割は引き続き大きいものがあると考えています。関係各位の引き続きのご理解・ご協力をお願いします。

 結びに、令和4年が皆様方にとって幸多い1年であることを祈念し新年の挨拶といたします。