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区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
施工技術山岳
図書名/雑誌名
NATMにおける事前調査のあり方に関する研究報告書
著者名・発表者
事前調査特別小委員会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
1983年(昭和58年)2月
総頁数
239頁
体 裁
A4サイズ
内容

まえがきよりNATMは,導入されて以来, 5年を経ずして山岳トンネルの標準工法と目され,その適用範囲も膨張性地山や未固結地山にまで拡大するなど,その普及発展は著しいものがある。NATMでは,在来工法に比べ,施工段階に,地山の状態を適切に評価できるようになったとはいえ,事前調査を的確におこない,問題の少ない路線を選定し,施工段階において,手もどりや大幅な計画の変更を余儀なくすることがないようにしなければならない点は,在来工法と変わるものではない。むしろ,無駄のない合理的な実施設計ができやすくなっただけに,適切な事前調査の実施の必要性は高まってきているといえよう。この現状に鑑み,昭和56年度より2ヶ年にわたって日本道路公団より委託された「NATMにおける事前調査に関する研究」では,NATMの合理的な設計・施工計画をおこなうための前提である適切な事前調査のあり方,調査成果の有効活用,等について研究をおこなった。この報告書は,起業者,工事請負者, コンサルタントに属する研究者,技術者からなる委員,ならびに,協力者により構成された委員会の2ヶ年の研究成果で,なかでも各機関の協力を得て収集した調査と工事の実績資料に基づく地山の評価の想定と実績との相違に関する考察(トンネル名は仮名)は,今後の事前調査の標準化や適切な調査の実践のよい参考になろう。この部分のみならず, この報告書が事前調査だけでなく,NATMの発展に寄与することを期待する次第である。

目 次

第1章概説第2章地山条件と設計施工との関連
2.1 地山条件と設計施工
2.1.1 地山条件に適合した設計と施工,2.1.2 支保部材と地山条件,2.1.3 トンネルに及ぼす悪影響と地山条件
2.2 地山条件と当初支保の設計方法
2.3 地山条件と掘さく工法
2.4 地山条件と掘さく方式
2.5 地山条件と補助工法
第3章地山評価の現状と問題点
3.1 概説
3.2 地山分類による地山評価の現状と問題点
3.3 地山弾性波速度による評価の現状と問題点
3.4 湧水の評価の現状と問題点
第4章地山の特性と調査の実態
4.1 地山の特性と適用調査法,4.1.1 概説,4.1.2 事前調査と地山条件,4.1.3 地山条件と適用調査法
4.2 アンケート調査
4.3 地山の想定と実績との相違についての考察
4.3.1 地山の想定と実績との相違事例,4.3.2 地山の想定と実績との相違についての考察
第5章地質調査法と実施時期
5.1 調査計画のたて方
5.1.1 調査の目的及び基本方針,5.1.2 調査事項と調査方法,5.1.3 地質調査のあり方
5.2 地質調査法
5.2.1 資料収集,5.2.2 空中写真による調査,5.2.3 地表地質踏査,5.2.4 弾性波探査,5.2.5 電気探査,5.2.6 ボーリング調査,5.2.7 ポーリング孔を利用した孔内試験,5.2.8 室内試験(地山試料試験),5.2.9 その他の調査
5.3 各種試験法の特徴と問題点,5.3.1 標準化されている試験法の問題点,5.3.2 標準化されていない試験法の特徴と使い方
第6章地山評価のあり方
6.1 地山評価の一般
6.2 地山評価の指標
6.3 地山評価の標準化
6.4 地山評価の標準化の際の問題点
第7章数値解析のための地山評価
7.1 数値解析の目的と必要な物性値
7.2 地山物性値の試験と評価方法
7.2.1 岩石試験と破壊,7.2.2 原位置試験,7.2.3 地山物性値の総合的評価方法
7.3 FEM計算例における地山物性値
7.4 逆解析による再評価
7.4.1 概説,7.4.2 逆解析による事例,7,4.3 今後の展望
7.5 まとめ
第8章施工中に行う地山の評価
8.1 施工中の地山評価の目的
8.1.1 施工段階の地山評価,8.1.2 事前調査と実際の地山の相違,8.1.3 施工計画のための調査,8.1.4 施工中の調査
8.2 施工中の地山の評価法
8.2.1 切羽観察による地山の評価,8.2.2 計測による地山の評価,8.2.3 施工中に行う調査。試験,8.2.4 試験坑内調査,8.2.5 地下水の影響
8.3 施工中の地山評価及び施工実績の整理,むすび