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区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
施工技術山岳
図書名/雑誌名
NATMにおける二次覆工の設計施工に関する調査研究報告書
著者名・発表者
NATM二次覆工対策特別小委員会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
1983年(昭和58年)3月
総頁数
152頁
体 裁
A4サイズ
内容

本報告書は,日本国有鉄道大阪工事局から日本トンネル技術協会に研究委託された「硬岩NATMにおける二次覆工の設計施工に関する調査研究」の結果をとりまとめたものである。吹付けコンクリートとロックボルトを主な支保工としたNATM工法では,地山の安定が地山の強度を積極的に利用した形で得ることができるため,覆工(二次覆工と称せられる)は従来の工法の場合とは異なった機能を持つことが考えられ,覆工の設計の考え方についての再検討が要求されている。これによって,覆工の簡略化などより合理的で経済的なトンネルの建設が可能であるものと考えられる。一方,NATMにおける二次覆工には,従来のトンネルの覆工には見られないひびわれが多く発生することが経験された。このため,ひびわれの防止対策が重要な課題として提起された。このひびわれには土圧とは無関係と考えられるものが多くあり,二次覆工の力学的な役割を含めて二次覆工の役割を総合的に検討することが必要となった。本研究は,このような問題に方向を見い出すべく実施されたものであるが,現地点における経験や知見の蓄積は必ずしも十分でなく,特に,二次覆工の力学的な役割の判断等については今後の研究に待たねばならない点を多く含んでいる。従って,研究の重点は当面の課題として,二次覆工のひびわれの防止対策について進められた。その結果,ひびわれの発生原因を明らかにし,ひびわれの防止対策についての方向を示すことができた。また,二次覆工の役割や具備すべき条件についても一応の考え方の整理を行うことができた。NATM工法は,掘削によって緩んだ岩塊を支えるという支保工の従来の考え方から脱皮した合理的な考え方が基になっており,今後のトンネル工事の主流をなして行く工法であると考えることができる。今回検討した二次覆工の問題に対する成果が,より品質のすぐれた経済的なトンネルの建設に役立ち, トンネル工法が合理化されることを期待したい。

目 次

1. 調査・研究の目的,概要2. 在来トンネル覆工コンクリートに生じたひびわれの調査について
2-1在来トンネル覆工コンクリートのひびわれに関する調査(アンケート) ,2-2調査(アンケート)の分析
3.二次覆工の役割と設計の考え方
3-1二次覆工の目的及び要求される条件,3-2二次覆工の設計の考え方
4.二次覆工に生じるひびわれについて
4-1実態調査からのひびわれの分析,4-2実態調査からのひびわれ発生要因の考察,4-3ひびわれの発生原因と理論的検討
5. ひびわれ防止対策の試行結果と評価
5-1一次覆工と二次覆工を絶縁する方法,5-2二次覆工コンクリートの品質改良による方法,5-3ひびわれを集中あるいは分散させる方法,5-4被膜養生による方法
6.ひびわれ防止対策の進め方(案)
6-1 ひびわれ防止対策指針(暫定案) ,6-2防止対策選定の基準,6-3今後の課題
7,諸外国の状況まとめ参考資料