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まえがきより近時上越新幹線の中山トンネル等では,本格的夜NATMによる施工実績を得たが,この工法については,日本トンネル技術協会は昭和50年8月設以来施工技術委員会において研究を続けてきたほか,機会あるごとに技術講演会,或は資料の配布をどを実施して技術の向上普及に努めてきた。今やNATMは,文献資料の収集,研究から,実施の段階に入り,関係省庁を始め各企業においてもこの工法の実施について多くの企画がなされている。こうしたときに,当協会は,昭和52年10月日本国有鉄道東京第二工事局よりNATMの設計施工計画の策定に有用なNATMの実施例の収集分析作業に関する調査研究の委託を受けたことは,トンネル技術の向上のため誠に意義のあることである。当協会においては,これを施工技術委員会の山岳トンネル高速施工小委員会が担当し,NATM特別分科会を編成して作業を実施した。作業を実施するにあたっては,実施例の収集分析を通じてその成果がNATMの手引と在るよう努めた。特に実施例の調査においては,ロックボルト及び吹付コンクリートがNATMの施工上欠くことのできない手段であり,NATMの考え方に基づいたものばかりでないので,疑問のあるところではあるが,敢えてその重要性から考えて, これらの工事実績をも対象とし,手引の一助とすることにした,また,計測については,国内の実施例が極めて少いのでその調査結果はすべて収録したが,本書の目的である有用な手引書としては必ずしも満足できるものにならなかった。しかしながら新しい技術を伸ばしていく過程での一つの糧になるものと信ずる。前回の報告書と同じく,本書を利用される諸兄の判断を仰ぎ,より適切な運用をお願いすると共に今後の進展の礎となることを願うものである。
第1章調査研究の目的1-1 調査研究の目的1-2 調査および要領
第2章調査の結果
2-1 調査トンネル一覧表2-1-1 国内編,2-1-2 海外編
2-2 国内編2-2-1 断面別集計表,2-2-2 用途別集計表,2-2-3 施工年度別集計表,2-2-4 工法および支保別集計表,2-2-5 地質分類および士被別集計表,2-2-6 NATM としての施工例,2-2-7 NATM の実施のための試験トンネル,2-2-8 NATM で施工を吉十画中のトンネル,2-2-9 計測および計測結果の利用状況,2-2-10 サイクルタイムと施工編成
2-3 海外編2-3-1 トンネル別施工集計,2-3-2 計測,2-3-3 サイクルタイムと施工編成
第5章考察
3-1 考察のための地質分類3-2 国内編3-2-1 吹付コンクリート,3-2-2 ロックボルト,3-2-3 計測3-3 海外編3-3-1 吹付コンクリート,3-2-2 ロックボルト3-4 まとめあとがき参考文献