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日本トンネル技術協会は,昭和58年度労働省から,推進工事の安全施工基準に関する調査研究について委託をうけたので,安全研修対策小委員会に中小口径対策幹事会を設け,これについて検討を加え取りまとめたものが,この報告書である。推進工事は,その特性から上下水道の建設,通信ケーブルの施設等に広く用いられ,施工性,経済性,公害防止等の面からも,その需要は増加しつつある。このような中で,近年の自動制御等の技術の進歩に伴い,推進工事の技術開発に対する関心も高まってきている。いうまでもなく,推進工事は,狭小な作業環境のもとで,適切な施工管理,地下水対策を含む切羽の管理と火災,有害ガス,酸素欠乏に対する災害防止対策がとくに必要である。この基準は,計画,設計,施工の各段階において,推進工事特有の労働災害の防止対策を取りまとめたものである。この基準が推進工事の安全施工技術基準として設計,施工技術者,安全担当者等に広く活用されれば誠に幸いである。
第1章総論§1.総則,§2.定義
第2章調査
§1.調査の目的,§2.打合せおよび事務手続,§3.調査の内容,§4.地元説明会
第3章工法の選定,§1.推進工法の種類,§2.推進工法の選定,§3.たて坑,§4.補助工法,§5.推進用管材
第4章施工
§1.施工一般,§2.施工計画,§3.たて坑築造工,§4.仮設備工,§5.刃口推進工,§6.セミシールド工法,§7.特殊推進工法,§8.既設構造物,埋設物防護,§9.地盤沈下防止
第5章安全衛生対策
§1.労働安全衛生法の概要,§2.安全衛生管理組織,§3.安全対策の基本,§4.安全衛生管理計画,§5.特殊災害防止対策,§6.安全衛生教育および各種訓練
第6章環境保全対策
§1.騒音、振動防止,§2.粉しん防止,§3.産業廃棄物処理,§4.排水処理
第7章災害発生状況および災害事例
§1.災害発生状況,§2.推進工法における災害事例