6012

区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
環境保全
図書名/雑誌名
トンネル内吹付コンクリート施工時の坑内作業環境に関する調査研究報告書
著者名・発表者
環境保全小委員会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
1985年(昭和60年)3月
総頁数
114頁
体 裁
A4サイズ
内容

吹付コンクリート作業はその工法の基本的性格として,①化学的活性のある,②鉱物性,③粉体物質を,④解放された空間に噴射させる,という特性を持っており,実施に当っては作業環境に十分配慮して労働者に衛生上有害な影響を与えないようにすべきことは言を待たない。NATMがトンネル工法として一般化した今日,ほとんどのトンネル坑内において吹付コンクリート作業が日常作業的に行われているが,NATMの普及が急速であったため,吹付コンクリートに伴う坑内作業環境の問題は各社または各作業所単位の問題として処理されて来ているケースが多く,最近に至るまでトンネル工事を行なう者全体の問題として掌握され,改善指導される機会に恵まれなかった。本調査はこうした現状に鑑み,次の順序で進めた。(1)文献による環境改善方法等についての情報収集、(2) 全国の主要トンネル現場での吹付コンクリート施工に伴う環境実態,問題点,環境改善の提言,要望等のアンケートによる調査・集約、(3) 測定条件を厳密に設定した吹付粉じん現場実測環境調査、以上の調査によりトンネル坑内における吹付コンクリート施工に伴う諸問題と今後改善のために努力すべき課題,方向を整理することが出来たと考えている。坑内における吹付コンクリートに伴う問題は何といっても発生粉じんの防止が最大の課題であるが,これはまた,トンネル工事の掘削・運搬に伴って発生する粉じんの防止というトンネル工事の最大の改善すべき衛生環境と同一の課題であり,今後トンネル工事に関係する全各位が真剣にこの課題に取り組んでいただくことをお願いする次第である。

目 次

第1章概説1-1 研究の目的1-2 研究の経緯,1-3 調査の概要
第2章成果の概要
2-1 坑内作業環境に係る諸問題,2-2 既存文献調査からの成果,2-3 作業実態の現状分析,2-4 現場実測調査,2-5 総括,2-6 当面の環境改善への提言
第3章環境の改善策
3-1 発生源対策,3-2 換気および集じんによる対策,3-3 暴露減少対策,3-4 測定,3-5 発注者の配慮,3-6 受注者の管理
第4章トンネル工事と労働衛生
4-1 坑内作業環境の特徴,4-2 坑内作業環境に関する法規制の概要,4-3 粉じんとその特性
第5章トンネル工事における粉じん
5-1 粉じんの概要,5-2 粉じんの濃度,5-3 粉じん中の遊離けい酸,5-4 粉じん許容濃度の勧告値
第6章既存文献調査
6-1 調査文献,6-2 吹付けコソクリート施工時の粉じんの実態,6-3 粉じん対策,6-4 換気・保護具, ロボット等
第7章作業実態の調査
7-1 現状調査,7-2 施工実態,7-3 アンケート結果に基づく吹付け粉じん量の解析,7-4 環境対策の実態,7-5 発注者の対応,7-6 労働基準監督署の指導,7-7 現場の要望
第8章吹付け粉じん現場実態調査
8-1 調査計画,8-2 調査結果,8-3 測定結果および考察
第9章今後の課題
(1)発注者,受注者間の協力体制の確立と粉じん測定方法の統一化,(2)吹付作業における無人化・自動化の積極的推進,(3)換気と集じん機による有効な粉じん排除方法の后極的開発,推進,(4)粉じん発生の少ない吹付システムの開発,(5)発生粉じんの特性と粉じん発生機構の解明,