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「セグメントシール材による止水設計手引き」は平成6年3月に初めて作成された。本手引きは東京電力㈱が地中送電線用洞道をシールド工法により建設する場合、二次覆工の省略を推進することを目的として、シール材による止水設計の基本的な考え方を示したものである。しかし、合理的な止水設計をするためには、さらに検討の必要な課題がいくつか残されていた。これらの課題を解決するために引き続き試験・検討を実施するとともに、東京電力㈱の委託を受けた日本トンネル技術協会では、再度「セグメントシール材マニュアル特別委員会」を設置し、成果の審議を図ることとした。このように学識者ならびに関係機関の協力を得て、本手引きの改訂に至ったものである。今回の改訂は「密封の原理(パッキン理論) 」による止水設計の基本的な考え方は従来のままであるが、その後の試験から得られた新しい知見を反映したものとなっている。改訂の主なポイントは次の2つである。すなわち、水膨張シール材に対して約3年間にわたる長期応力緩和試験から、シール材の応力緩和と水膨張を考慮した長期的な接面応力の変化を把握したこと、および止水試験の結果から、自封作用により接面応力が増加することを確認し、この効果を止水設計に取り入れたことである。今後もデータの蓄積を進め、新たな知見が得られた場合には、随時見直しを図ってゆくことが重要と考える。
第1章総論1.1適用の範囲、1.2用語の定義、1.3記号、1.4止水の考え方
第2章止水設計
2.1設計手順、2.2設計条件、2.3止水に対するシール材の設計、2.4セグメント組立てに対するシール材の設計
第3章シール工施工管理
3.1シール材の性能確認項目とその方法、3.2シール工、3.3セグメントの貯蔵・運搬時の注意事項、3.4セグメントの組立て工、3.5QC工程
資料-1シール材の設計(例)
資料-2「防振ゴム」抜粋
資料-3圧縮試験
資料-4組立試験
資料-5止水試験
資料-6応力緩和試験
資料-7自封作用による接面応力の増加率
資料-8シール材の形状寸法測定結果