201804

区分
施工体験発表テキスト
図書分類
施工体験発表会
図書名/雑誌名
第83回施工体験発表会(都市) CD-ROM
主題/副題
市街地におけるトンネル・地下構造物の新設および改良工事ー近接、拡幅、再構築等の施工事例ー
発行所
一般社団法人日本トンネル技術協会
頒布価格 (団体・税込)
5000円
頒布価格 (個人・税込)
5000円
頒布価格 (一般・税込)
5000円
目 次

小土かぶり・急曲線・急勾配、重要構造物近接などの条件下における大断面シールド施工
-横浜環状北線 馬場出入口シールド-
発表者:清水建設㈱ 土木東京支店 西田  充
(概要)本工事は,高速神奈川7号横浜北線(以下,北線)のほぼ中央に位置する馬場出入口(A~Dの4本のランプトンネルを開削工法およびシールド工法により構築)および馬場換気所を構築するとともに,関連街路を整備・拡幅する工事である.また,すべてのランプシールドは本線トンネルをパイプルーフ工法にて拡幅された接合部に地中で到達となる. 本稿では,小土かぶり・急曲線・急勾配の施工条件が特徴であったBランプ,発進直後に送電鉄塔直下を掘進したDランプ,先行して構築したBランプとの近接施工であったCランプ,北線の本線供用後に掘進したAランプ,また全ランプ共通の特徴である到達部における本線トンネルへの影響低減の対策と施工結果について述べる.
(キーワード)大断面シールド,小土かぶり,急曲線,急勾配,近接施工

玉石層における地盤切削JES工法 -上越線塩沢・六日町間樋渡Bv新設他-
発表者:鉄建建設㈱ 関越支店JV塩沢作業所工事係 岩本  剛
(概要)上越線塩沢・六日町間樋渡Bv新設他工事は新潟県南魚沼市の塩沢地区にあり上越線の下に市道樋渡東西線を施工する工事である。上越線直下は玉石等の支障物が多く、土かぶりが小さいため本工事では非開削工法のHEP&JES工法を改良した地盤切削JES工法にて施工を行なった。本報告書では地盤切削JES工法の施工とその事前作業であるガイドパイプ敷設の施工について報告する。
(キーワード)地盤切削JES工法,HEP&JES工法,支障物 

巨礫混じりの砂礫層における長距離シールド施工 -原町東部雨水幹線工事1-
発表者:㈱奥村組 東北支店仙台シールド工事所所長 倉田 和彦
(概要)本工事は,仙台市の浸水対策事業の一環として,土かぶり約30mの深さに2スパンで延べ約4.5kmのシールドトンネルを築造する工事である.シールド掘削断面は巨礫混じり砂礫層(φ400mm以上の巨礫を含む)であり,この地層を長距離掘進するためのシールド機の仕様設定,ならびに実施工を通じて顕在化した問題点および対応策などについて報告する.
(キーワード)シールド,長距離,洪積砂礫層,巨礫,ビット交換,閉塞

国道1号直下での密閉型泥土圧式ボックス推進工法の施工 -藤沢652号線歩道築造工事-
発表者:鉄建建設㈱ 東京支店JV藤沢本町作業所現場代理人・監理技術者 加藤 健央
(概要)藤沢652号線歩道築造工事は,国道1号直下において歩道トンネルを設置する工事である.国道1号は昼夜間ともに交通量が多い重要幹線道路であることから,国道1号交通への影響を極力小さくするため非開削工法が採用された.その中から当該区域への適応性が高い工法として,密閉型泥土圧式ボックス推進工法が選定された.本稿では,密閉型泥土圧式ボックス推進工法の施工計画および施工実績について報告する.
(キーワード)非開削工法,ボックス推進工法,プレキャストボックスカルバート

地下鉄営業線大規模改良工事における地下連続壁及び構築下地盤改良の施工について
-東京地下鉄東西線南砂町駅改良土木工事-
発表者:東京地下鉄㈱ 改良建設部第三工事事務所統括改良建設係 神澤  拓
(概要)本工事は,東京メトロ東西線における通勤ラッシュ時のホーム上の混雑および列車遅延を解消するため,島式ホーム1面と線路2線である地下構造の駅をホーム2面と線路3線へと改良し,また昇降設備および改札の位置をより円滑な旅客流動を目指して再配置するものである.南砂町駅は建設当時運河であった場所に潜函工法で造られたため,現在も躯体周辺の地盤はN値0~1と超軟弱であり,駅改良に必要な全ての工種に対して周辺地盤および既設躯体の変位抑制対策が求められる.本工事では,開削工法にて深さ14mまで掘削し,土留めは本体利用を目的とした地下連続壁,補助工法は掘削底面以深に先行地中梁と底盤改良を目的とした地盤改良を採用した.本稿では,3工区に分けた工事のうち中央部工区を題材に,変位抑制対策を特に考慮して施工した①地下連続壁と②構築下地盤改良について報告する.
(キーワード)地下鉄,駅改良,軟弱地盤,地下連続壁,営業線直下,地盤改良,既設躯体,変位抑制対策

高強度地盤改良内における土圧シールド長距離掘進
-Garden By The Bay Station and Tunnels for Thomson-East Coast Line -
発表者:西松建設㈱ 国際事業本部シンガポール営業所副所長 亀山 克裕
(概要)本論文は,シンガポール地下鉄トムソンイーストコーストラインのうちT228 工区において,地下鉄単線トンネル2本(セグメント外径φ6,350mm,各トンネル延長680m)を1台の土圧シールド機により構築する工事を対象としている.本トンネルの掘削対象層は,河川横断部はマリンクレイ層(海成粘土),河川部以外は機械攪拌式深層混合処理による地盤改良層であった.当該地は埋立地でマリンクレイ層の圧密が進行中であり,トンネルの長期沈下を抑制する目的で,トンネル掘進に先駆けてトンネル掘進断面以深までの地盤改良が実施され,その区間はトンネル総延長の約半分の600mと長距離にわたった.本稿は,高強度地盤改良帯を掘削する上で注意した点と施工時に得られた知見について述べる.
(キーワード)土圧シールド,マリンクレイ,高強度地盤改良,掘削抵抗

東名高速道路盛土部における低土かぶりボックス推進工事 -新東名高速道路 伊勢原JCT工事-
発表者:㈱大林組・㈱鴻池組・岩田地崎建設㈱特定建設工事共同企業体副所長 俊成 安德
(概要)本工事では新東名高速道路 伊勢原ジャンクション(仮称)の施工と合わせて,市道の付替・改良工事を行っており,東名高速道路盛土部を横断している市道拡幅のため既存のボックスカルバートに隣接する新たなボックスカルバートを推進工法で施工する計画であった.推進工法での施工において,低土かぶりであるうえ,①複雑な地盤構成,②厳しい路面沈下管理限界値,③光ケーブル防護対策,④工程短縮要請の4項目の課題があり,これらの課題を解決しボックスカルバートを構築するため,パイプルーフを併用したボックス推進工法を採用した.本稿ではこれら課題を解決するための工法選定経緯および施工時の工夫について述べる.
(キーワード)ボックス推進,パイプルーフ,東名高速道路,低土かぶり,盛土,路面沈下

マシンの特殊ビットによる地中支障物の直接切削 -市川市市川南11号幹線建設工事-
発表者:㈱熊谷組 市川推進作業所作業所長 髙原幸一郎
(概要)本雨水幹線工事の3本推進工のうち,下流側(φ1,500mm×2段)の泥濃式推進工法の区間にリチャージウエルの鋼管(φ400mm),通信線敷設時の鋼矢板(Ⅲ型)等が土中に残置されており推進の路線と干渉する.しかし,線形で回避することが困難であり,外環自動車道工事の条件により地上からの撤去も難しい為,推進機のビットで直接切削するミリングモール工法を採用した.下流下段の推進では,残置鋼管φ400mmは想定どおりに接触し,約55mm/day・11日間で切削を完了した.その後,未確認の支障物(排土からRC構造物と判明)に接触し,約0.95mに21日間を要し推進した.一方,鋼矢板(Ⅲ型)は接触することなく施工できた.支障物切削時は住宅に近接していたが振動・騒音ともに市川市規制基準を大きく下回り,影響は皆無であった.下流の下段の推進完了後マシンを回収し,整備およびビット交換等を工場で行った.上段推進に対しては,土かぶりが更に小さく民家に近接するため,下段で得た知見からより一層の慎重な施工を行うものである.
(キーワード)ミリングモール工法,泥濃式推進,地中障害物切削,振動,騒音

立川断層を含む複合地盤の4kmを超える長距離泥土圧式シールドの施工実績
発表者:飛島・大日本・林建設共同企業体東大和シールド作業所所長 藤田 敏治
(概要)本工事は、東京都水道局が進める送水管の二重化・ネットワーク化事業の一環のシールドトンネル工事である。掘削外径φ3,080mmの泥土圧式シールドで、施工延長はL=4,447mと長距離である。掘削地盤は、玉石を含む礫層や、N値50以上の非常に硬い砂層および粘性土と多岐にわたり、掘進途中には立川断層の出現が予想された。路線は交通量の激しい都道直下にあり地上を占用するビット交換作業は困難であった。また、長距離施工に伴う掘進サイクルのタイムロスは約定工程を順守する上で抑制する必要があった。本稿では、その施工実績について報告する。