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区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
施工技術山岳
図書名/雑誌名
トンネル漏水及びつらら防止工の調査研究報告書
著者名・発表者
山岳トンネル高速施工小委員会漏水対策特別分科会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
1977年(昭和52年)3月
総頁数
125頁
体 裁
A4サイズ
内容

まえがきより、本報告書は、日本国有鉄道盛岡工事局の委託により、社団法人日本トンネル技術協会が実施した「トンネル漏水及びつらら防止工の調査研究」の成果をとりまとめたものである。鉄道トンネル、道路トンネルを問わず、漏水やつららの害に悩まされているトンネルは数多い。トンネルにおける漏水は、レールの腐食、電気等設備等の機能低下、覆工コンクリートの耐久性の低下、トンネル壁面の汚染等を招くものであり、さらに、寒冷地にあっては、漏水はつららや側氷となり、通行車両に対する危険や保守管理上からも大きな障害となるものである。したがって、トンネルにおける漏水およびつらら防止工は、トンネルの機能と安全性を確保するため、必要欠くべからざるものといえよう。しかるに、わが国の実情は、漏水およびつらら防止工に関する設計・施工指針はもちろん、これらについての体系的な調査研究はほとんどなされていない。かかる時期に本調査研究を実施する機会を与えられたことは、誠に意義深いことと考えられる。本調査研究は、委託の主旨に沿って、国内外の既存の文献資料を収集し、トンネル漏水およびつらら防止工の現状と問題点をとりまとめることに主眼を置いて実施したが、その成果の一つとして、ヨーロッパにおいて一般化している覆工背面あるいは覆工中間における全面遮水法の採用を推奨している。しかし、この遮水法は、掘削工法や支保工形式にも関係してくるため、一朝一夕には実現しがたい工法であるが、トンネル防水の実要性に鑑み、今後の推進に期待したい。なお、掘削工法や支保工形式の改変には相当の年月を要するので、当面は、在来の漏水防止工、漏水処理工、つらら防止工などを適切、入念に施工すべきものと思われる。本調査研究は、短期間に行なわれたものであり、今後の課題として残された点も多いが、この報告責が広く活用され、トンネルの漏水およびつらら防止技術の向上に役立つことができれば幸いである。なお、本報告においては、特定の商品名を記載しているが、これは一般名で説明すると、かえって繁雑となり、分りにくいものとなるため、あえて記したものであり、それと同等あるいはそれ以上の材質のものであればよいという意味に解していただきたい。

目 次

1.概説1.1 研究の日的
1.2 研究方法
1.3 研究成果の概要
1.4 まとめおよび今後の検討事項
2.トンネルにおける漏水およびつららの発生実状
2.1 漏水およびつららなどの被害
2.2 つららの実状
2.3 トンネル内気温
2.4 トンネルの覆工および覆工背面の地山の温度
2.5 つららの発生・成長条件
2.6 覆工背面の地山の凍結の条件
3.全面的な速水法
3.1 シートによる防水法
3.2 その他の防水法
4.覆工背面における排水法
4.1 覆工背面における排水工の現状
4.2 覆工背面における排水工の問題点
5.覆工内面における漏水処理法
5.1 止水工法,5.2 排水工法
6.加温・保温による凍結防止法
6.1 加温による方法
6.2 保温による方法
(付録) トンネル漏水及びつらら防止工の文献資料抄録その1 道路トンネル関係その2 鉄道トンネル関係その3 その他の文献