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区分
JTA委員会研究成果報告書
図書分類
施工技術山岳
図書名/雑誌名
山岳トンネルの坑口部の設計・施工に関する研究報告書
著者名・発表者
坑口対策特別委員会
所属
社団法人日本トンネル技術協会
発行所
社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
1985年(昭和60年)2月
総頁数
138頁
体 裁
A4サイズ
内容

まえがきより坑口は,トンネル工事の出発点であるとともに終点と在るもので, トンネル工事の費と在るものであるが,その工事上の条件は地形的にも地質的にも問題の存在する可能性の大きいところであり工事に難渋した例は少なくない.最近のように用地の事情が一層むずかしくなり,また,道路の線形が重要視される場合には,坑口を従来のように問題のないところに必ずしも選定することができないこともあり,坑口部の適切な設計と施工は極めて重要な課題となっている。坑口部は, トンネルの内部での挙動と違って,問題が起こった時の影響は加速度的に進行し,範囲も広く覆る可能性が大きいという特性を持っている。また,坑口の条件をルート選定の段階および設計の段階において的確に把握するには限界があり,工事着手前にトンネルの施工が坑口を設ける斜面に与える影響を予測することは大変むずかしいのが現状である。このため,施工の段階で設計や施工法の変更がなされる例が多い。むしろ,施工が進捗するに従って,明らかとなった条件で設計・施工をより安全なものとすることにより,修正することが不可欠であるといえる。従って,施工にあたっては,設計の際に想定した条件と相違していないかどうかを確認するとともに,問題が生ずる際の徴候をできるだけ早期に発見し,的確な対策を講ずることが重要である。このような柔軟な対応は最も重要をことであるが,坑口の施工で基本的なことは,安定な地山をできるだけ緩めない方法で掘削することである。やむを得ず安定性が懸念される地山に坑口を設ける場合は,地山をまず安定なものとしなければならない。坑口部といえども, トンネルは地山そのものが構造体であるから掘削によって地山を緩め,構造体としての材料の強度を低下させることはできるだけ避けなければ在らない。地山の安定性を高め,緩みを防止する方法として,最近,一般的に使用されるようにをってきた吹付けコンクリートとロックボルトは有効を手段で,坑口部においても積極的にその利用を考えるべきであり,本研究においては従来の実績にとらわれず, この点を考慮した。

目 次

第1章概説第2章坑口条件と地寛調査法
2.1 調査計画の基本
2.2 坑口の地形・地質分類
2.3 路線選定のための地形・地質調査
2.4 坑口部における地山条件の検討
第3章坑口部の設計
3.1 坑口部一般
3,2 坑口部の設計
3.3 補助工法と対策工法
3.4 坑門工の設計
3.5 橋梁構造物とトンネルが近接する場合
3.6 参考資料
第4章坑口部の施工
4.1 着工前の調査検討
4.2 施工上の留意点
4.3 坑口付けの施工方法
4.4 坑口部施工中に多用される補助工法
4.5 坑口部の観測管理
4.6 基本的掘削工法による坑口部施工上の要点と標準的を施工順序