200014
山岳トンネル工法により施工されるトンネルにおいて、近年の補助工法技術の開発・進歩に伴い、従来、掘削が非常に難渋した箇所や地表面沈下等周辺環境保全上規制の厳しい箇所において、安全で合理的な施工が可能となってきている。これらの補助工法は通常の支保パターンの他に必要となるもので、コストが高くなることと適正に採用されない場合には手戻りが大きいことから、その選定においては適切な判断が必要となる。しかしながら、現在のところ明確な補助工法の選定手法や規模決定のための設計手法等確立されたものがなく、個々の現場においてこれまでの実績等を参考に設計されているのが現状である。このような条件下、日本トンネル技術協会では、平成10年度日本道路公団から「補助工法の効率的な設計施工法に関する調査検討」の委託を受け、補助工法に関する事例調査・文献調査及び工法の選定・設計・施工法に関する資料をもとに、補助工法に関する適切な地質調査方法のあり方や調査結果の統一的評価手法の提案と効率的な補助工法選定手法の立案、設計・施工法あるいは品質管理手法に関する標準的な考え方のとりまとめおよび基準化に関する検討を行ない報告書として取りまとめた。本書は、この委託研究報告書を基に一部修正加筆を加え、山岳工法における補助工法の採用にあたっての事前・施工中の調査、標準的な選定手法、設計の考え、施工法について解説したものである。
第1章概要
1.1調査検討の目的、1.2調査検討の内容
第2章事前・施工中の調査
2.1調査一般、2.2調査の流れ、2.3地質調査手法2.4事前調査、2.5施工中調査
第3章補助工法選定手法の検討
3.1補助工法の概略選定、3.1.1補助工法の分類、3.1.2湧水対策、3.1.3切羽安定対策、3.1.4地表面沈下対策、3.1.5近接構造物対策、3.1.6坑口対策工法
3.2各種補助工法、3.2.1湧水対策、3.2.2切羽安定対策、3.2.3地表面沈下対策、3.2.4近接構造物対策、3.2.5坑口対策
3.3対策工の詳細選定、3.3.1湧水対策効果の検討方法、3.3.2切羽安定対策工、3.3.3 地表面沈下、3.3.4近接構造物対策工、3.3.5坑口部安定対策工
3.4施工範囲の設定
第4章補助工法の設計
4.1概要
4.2設計条件、4.2.1湧水対策、4.2.2フォアポーリング、4.2.3鏡吹付けコンクリート、4.2.4鏡ボルト、4.2.5仮インバート、4.2.6脚部補強工、4.2.7長尺鋼管フォアパイリング、4.2.8水平ジェットグラウト、4.2.9プレライニング、4.2.10垂直縫地、4.2.11パイプルーフ、4.2.12注入、4.2.13遮断壁、4.2.14押え盛土
4.3材料
4.4検討及び設計方法
4.5各種補助工法の設計
第5章施工管理手法
5.1概要
5.2施工と施工管理、5.2.1湧水対策、5.2.2フォアポーリング、5.2.3鏡吹付けコンクリート、5.2.4鏡ボルト、5.2.5仮インバート、5.2.6脚部補強工、5.2.7長尺鋼管フォアパイリング、5.2.8水平ジェットグラウト、5.2.9プレライニング、5.2.10垂直縫地、5.2.11パイプルーフ、5.2.12注入、4.2.13遮断壁、4.2.14押え盛土
5.3計測管理、5.3.1湧水対策効果の確認方法、5.3.2切羽安定効果の確認方法、5.3.3地表面沈下抑制効果の確認方法、5.3.4近接構造物対策工、5.3.5坑口部安定対策工
第6章まとめ