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まえがきより長大山岳トンネル工事は,地下条件の正確な予知が困難なため,一般の土木工事に比べて施行条件に不確定な要素を多く含んでいるうえ,主として,これら工事が官公庁発注となるため,財政上の諸原則により、あらかじめリスクを見込むことが不適切とされている。従って,このような条件のもとで施行される長大山岳トンネ′レ工事の契約を民法にいう請負(後述6.省庁を発注者とする工事契約についての考え方参照)と同じ考えのもとで取扱うのは不合理であることは言うまでもないが、これを適正に履行するために,契約条項、示方内容を具体的に如何にすべきかという点については未だ発注者間でも統一された見解は示されていない。このたび,日本鉄道建設公団東京新幹線建設局長際より当協会に「長大山岳トンネル工事の契約示方のあり方」について,調査研究のご委託があり,当協会契約委員会において,契約示方特別小委員会,及び同幹事会を編成し.長大山岳トンネル工事の実態調査を行い,受注者側の要望事項を整理し,これらについての検討内容を報告書に集録した。この報告書が,委託者の今後の工事発注に少しでもお役に立つことを期待する。
1.調査研究の日的,必要性及び進め方2.受注者側からの要望事項2.1 地下条件に関する情報の捷供,2.2 工事施行上必要な用地の確保等,2.3 協義事項等施行条件の明示と関連費用の負担,2.4 条件変更と掘削工法の指定,2.5 掘削単価の設定方法,2.6 湧水による条件変更,2.7 請負代金内訳書,2・8 施行中止,工期延伸に伴う増加費用,2.9 その他
3.トンネル実務家の意見(長大山岳トンネル工事契約における条件変更について)
4.長大山岳トンネルに関する実態調査結果について
5.契約示方のあり方についての検討内容5.1 地下条件に関する情報の据供,5.2 工事施行上必要な用地の確保等,5.3 協議事項等施行条件の明示と関連費用の負担,5.4 条件変更と掘削工法の指定,5.5 地下条件の変更と掘削単価の設定方法,5.6 湧水による条件変更,5.7 請負代金内訳書,5.8 施行中止,工期延伸に伴う増加費用
6.官公庁を発注者とする工事契約についての考え方
7.契約示方のあり方についての提言7.1 地下条件に関する情報の提供,7.2 工事の施行上必要な用地の確保7.3 協議事項等施工条件の明示,7.4 掘削工法指定の可否,7.5 地下条件の変更,7.6 湧水による条件変更,7.7 特殊な地下条件に対する条件変更,7.8 施行中止,工期延伸に伴う増加費用付表---トンネル実態調査集計表